見出し画像

ヒノジン.010 竹村嘉造さん

移住定住サイト「ひの暮らし」から生まれた企画「ヒノジン」。

ヒノジンでは、滋賀県蒲生郡日野町で活躍する魅力的な人の暮らしや仕事、地域での活動を通して、日野町がどんな町か、そこで暮らす人がどこに町の魅力を感じているのか、
それぞれの目を通した「日野町」をご紹介します。

プロフィール

竹村嘉造(たけむらよしぞう)さん。1955年生まれ。東京都出身。
鎌掛地区を拠点に活動する陶芸家。「福始窯(ふくしがま)」代表。

ー 日野歴は何年ですか?

30歳の頃からなので、40年です。

ー 現在日野で取り組んでいることについて教えてください

陶芸作家として活動しています。陶芸っていうと作陶だけと思われることがあるのですが、窯の管理や、材料を集めたりとか環境管理などいろいろなことをしています。

陶芸の他には、趣味で琵琶を弾いています。湖南市に琵琶の先生がおられて、月に2回、5年ぐらい続けていて、演奏会に参加したりもしています。夜、周りに誰もいない作業場で練習しています。

存在感のある作品が並ぶ展示会場の一画

ー これから日野でやりたいことを教えてください

展示会などで売るだけじゃなくて、ワークショップみたいなものができたらいいなと思っています。Gallery TUTUMU(ギャラリーつつむ)で展示会をしたときは轆轤(ろくろ)の実演をやりましたが、もう少し皆さんとの接点を作っていきたいと考えています。

若くないからそんなにバリバリ動くことはできないんですけど、食と陶器とか、そういう接点なんかも増やしていけたらいいかもしれないと思っています。

ーーー
バイキング形式のように大皿に料理を並べて自分で取って召し上がっていただくとか、あらかじめドンと盛り付けておく器が竹村さんの作品だったら、めちゃくちゃかっこいいと思います。
ーーー

鯛そうめんとか、日野の食材を乗せるような表現をすると面白いかもしれない。器を作る土も、日野の土を使って。

イベントの際に興味のある若い人が出てきたら、いろいろ繋がっていくと思うんです。もうあと10年ぐらいしたら私は動けなくなるんじゃないかなと思いますけどね。笑

落ち着いた雰囲気で鎌掛愛を語る竹村さん

ー 他の地域と比べて日野らしい、日野独特と感じる点を教えてください

すごくいい環境が随分残っていて、町自体が綺麗なんですよね。紅葉もすごく綺麗だし。絵になる町ですね。

ここ10年から20年ぐらいの間で荒れてきているところの整備ができたらいいなと思っています。昔は裸足で歩けるくらい山を綺麗にしていて、落ち葉とかは肥料に使っていたりね。もうちょっと自然環境が良くなってくれるといいなと思っています。

ー 日野のここが好きというところを教えてください

環境がいいなと思います。空気も綺麗だし。その良さに惹かれて若い方も移住してきていたりしていて、とても良い環境だなと思います。

ー 他の地域との違いに驚いたところを教えてください

移住してきた当時、小さい頃に見た御代参街道(ごだいさんかいどう)の家並みが変わらず残っているところに驚きました。それと、若い頃に自分から率先していろいろ聞いていったところ、お年寄りの方々から非常にいろんなことを教えてもらいました。都会にはない良さがたくさん詰まっているところだと思います。

庭先に飾られた重厚感のある作品たち

ー 町内、地域との関わり方を教えてください

鎌掛は広いので1区から6区まであって、区ごとの特徴があるんですが…その中の10軒単位くらいの組に入って、会計などを担当してきました。

昔は病院の診療費の支払いにツケ払いというものがあって、その取りまとめをしたり。同じ苗字の人がたくさんいて、誰かすぐに特定できなくて大変でしたね。

それと、お葬式が随分大変でしたね。非常宿(ひずやど)っていうお葬式の受け入れの場があって、お味噌汁やひじき、揚げ豆腐、蒟蒻とかいろいろ炊いたり。

その他には、火の用心で町内を周ったりもしていました。区長の補佐で、本当にいろんなことを経験させていただきました。

展示会場の傍で、奥様と並んで

ー これから日野に住もうと思っている人にひとこと

移住される方の目的が明確であれば一番いいと思いますね。こういう場所で、こういう環境で、こういうことを自分としてやっていきたいって。終の住処じゃないけどね。

何事も、ご縁で経験だと思うから。わかんないことがあったら、これはどういうことなんですか?と、若い人が自分から飛び込んでいくような形で入ってくると活気が出てくるから。土地にあるものをうまく活かして、仕事に活用できるように若い人が入ってくださるのは本当にいいと思います。

最初は誰でも大変だと思いますが、環境に対していろいろ興味を持って、いろんなことを学ぼうっていうような姿勢で入ってきた方が、地域の方とうまくいくんじゃないかなと思います。そうして、環境をうまく自分のバックボーンにしていったらいいと思います。

ヒノジンステッカーをお渡ししました!