見出し画像

ヒノジン.008 照井佑佳さん

移住定住サイト「ひの暮らし」から生まれた企画「ヒノジン」。

ヒノジンでは、滋賀県蒲生郡日野町で活躍する魅力的な人の暮らしや仕事、地域での活動を通して、日野町がどんな町か、そこで暮らす人がどこに町の魅力を感じているのか、
それぞれの目を通した「日野町」をご紹介します。

プロフィール

照井佑佳(てるい ゆうけい)さん。1979年生まれ。福井県出身。
日野地区 寺尻にあるお寺「長徳寺」の副住職。

ー 日野歴は何年目ですか?

住み始めてちょうど3年になります。

ー 現在日野で取り組んでいることについて教えてください

ここ(長徳寺)で朝5時からお経を読んで、お茶を飲んで、その後5時半から坐禅をしています。修行時代と同じように、朝のお勤めを自分自身がするつもりで日野に来たんですが、朝の坐禅にも毎朝来てくださる方がいらっしゃって、そのおかげで私も続けてこれています。

お寺としての法事などは檀家さんがいないのであまりなくって。お盆とか、お彼岸とかの節目にはあるんですが、それよりは、日々のお勤めをしています。

それと、あるお寺から本棚と子供用の本をたくさんいただいたことから始まったんですが、自習室改め工作室があって、ご近所の子どもたちが来てくれたらいっしょに何かを作ったり、本を読んだり、仏さんの絵を描いたり、そうやって過ごしている時もあります。

あとは、日野町立図書館で毎週、日野に自生する花を生けて紹介しています。元々草花が好きで農園にもいたこともあったんですけど、京都だったらお茶の先生たちと山野草屋さんに買いに行って手に入れていたお茶席用の花が、日野には身近にあるって気がついて、すごいなと思って。

自習室改め工作室で子どもたちと作った回転寿司セット
佑佳さんに会いにやってきた近所の子と庭でお喋り

ー これから日野でやりたいことを教えてください

常にお寺を空っぽの状態にしておきたいですね。来た方にちゃんと応じていけるように、ここはニュートラルで空っぽにしておいて。

修行生活をするっていうのを真ん中において。修行生活っていうと強すぎるんですけど、僧侶としての生活をするっていうのを基本において、来られた方に合わせて柔軟に変わっていけるようにできたらいいなと思っています。

お花が好きな人がお花をいっぱい持ってきてくださるなら、それを一生懸命植えて。お散歩コースにしてくださる方がいらっしゃるんだったら、遠くから見ていい景色になるようにしておきたい。そんなふうに思っています。

ー 他の地域と比べて日野らしい、日野独特と感じる点を教えてください

やっぱり人が優しいなと思います。このお寺には檀家さんがいなくて、誰が来るんだろうって最初ずっと思っていたんですが…。

檀家さんではなくても来てくださる方がいて、その方が他の方に言ってくださって、他の方も来てくださってっていう風に、少しずつ坐禅をしたいって言ってくださる方とか、お茶を飲みに来てくださる方とか、お花を見に来てくださる方とか。ここにこんなお花が咲いてるよって誰かが言ってくれたおかげで、写真を撮りに来てくださったり。そうやって、ほんとに檀家さんがいないお寺がやっていけるっていうのは、日野独特なんじゃないかなと思ってます。

毎日かかすことなく続ける朝5時からのお勤め

ー 日野のここが好きというところを教えてください

やっぱり自然ですね。お花たちが多いことですね。私は寺尻の田んぼの景色が好きです。ここに初めて来た時も、お花がすごいいっぱいあって、畑が綺麗で、いいとこだなと思いました。それが一番ですね。

ー 他の地域との違いに驚いたところを教えてください

人の優しさにすごく驚きました。どんどん誘ってくださいますし、人がどんどん繋がってきますし。とにかく優しいです。

お花などもたくさん持ってきてくれるし、枯らしても怒らへんし(笑)。
枯らしたから次もう1回くださいって言ってもまた持ってきてくれる。このお寺もお花で繋がってる人が多いですね。

長徳寺の門前に佇む佑佳さん

ー 町内、地域との関わり方を教えてください

日野の植生を調査する「まるばの会」という集まりに週に1回参加しています。観光ガイドをしている方や、山野草が好きな方など、全部で会員13名のすごく物知りなおじいちゃんおばあちゃんばかりの団体です。日野中の地理をどこでも全部知ってる感じで。ほんとにいろんなところに連れていってもらって、珍しいものをいっぱい見せてもらっています。

お花がある場所をちゃんと覚えとくとか、なくなっちゃう前にちょっとここを保護したいとか、地域の方にここにこんな花があるので、刈らずにとっておいてほしいって言ってみるとか、そういう風に環境を残していく活動が大切かなと思っています。

土日もたまにあるんですけど、平日の午前中が多くて、働いてはるとちょっと来にくいかなとも思いますけど、いい会なので、毎週来なくてもいいので若い方にもぜひ参加してほしいです。

図書館にお花を生けるのも、最初は「橋本忠太郎展」のときに「お花持ってきて」って頼まれたのが始まりなんです。
その時にまるばの会として出してたんですけど、その後もまるばの会のアウトプットとして、こういうことをやってますよというアピールのつもりで始めました。

ー これから日野に住もうと思っている人にひとこと

なんとかなるから来てください。周りの方がなんとかしてくれます。

本当に私自身が変わっていったように、地域の皆さんといっしょに変わっていけると、なんとかなると思っています。

ヒノジンステッカーをお渡ししました!